児童発達支援の課題
全国障害者問題研究会主催の「障害者問題研究49巻1号を読む会」にオンラインで参加しました。
49巻1号の特集は「乳幼児期の発達保障と児童発達支援の課題」です。
読み応えのある論文が多数掲載されていますので、
障害児通所支援にかかわる人たちにとっては必読の一冊と言えそうです。
尊敬する白石正久先生も編集委員として「読む会」に参加されていました。
白石先生の問題提起が、ズバッときました。さすがです。
・養護学校が学校教育の中に根付いていったように、療育を一般施策として位置づけることが可能
・地域づくり、自治体づくりの視点
・職員集団の育ち(働き続けてみたいと思えるように、地域づくりに身を投じてみたいと思えるように)
特に職員集団の育ちの視点は、まだまだ足りない部分だと私自身も思います。
現場を離れ、大学教員として現場の先生方のお話を聞き続けてきた中で、
善意や情熱だけでなんとか首の皮一枚つながっている人たちが多いことを感じてきました。
よく辞めずに、粘り強く頑張っていることにまずは敬意を表しつつも、
このような心ある職員たちが、「地域づくり」に参画しているという意識と意欲を感じられるように
するためには一体何が必要なのか。そんなことを考えました。
やはり、実践の積み重ね、そしてそれに光を当てる人、そして一緒に高め合おうとする人など
当事者を含めた人の和が成熟していく中で、行政を無理なく自然に巻き込んでいける空気感が
生まれるのではないか、そんなふうにも思いました。
行政との対立構図ではなく、共に学ぶ、共に歩む。
難しいけれど、やはりそれしかないのではないか。
あらためて「実践」という言葉の持つ重みと価値を感じた「読む会」でした。