「あなた」に届く言葉

コロナの影響で外出や外勤が減っているため、身の回りの本や書類の整理を続けています。

発達支援センターを退職し大学に移って1年目に、東川町の広報担当の方が
私の仕事に興味を持ってくださり、取材のため大学に何度も足を運んでくださいました。
それをまとめた記事を見つけましたのでご紹介させていただきます。

広報「ひがしかわ」の2016年7月号に載った「今、生き生きと」という記事です。

ゼミ生とともに大学祭で子どもたちとの遊びの部屋を作った時の写真も載っています。
発達支援センターの先生方が休日にもかかわらずお手伝いに来てくださって、
おかげさまでたくさんの子どもたちと楽しい時間を過ごすことができました。
ああ、またこういうことが堂々とできる日が戻るといいなあ。

当時は、授業がない日に月に2回程度、相談業務で発達支援センターにもお邪魔していました。
その時の写真も載っています。

この時の取材でも、何をしゃべったのかあまり覚えていないのですが、記事を読み返すと
「言葉は体で聴くものだと思っています」と述べています。

基本的にこの感覚は今でも変わっていませんが、その後、竹内敏晴さんの書物から影響を受けつつ、
「言葉は(触覚を用いずに)相手に触れる行為」だと考えるようになりました。

触れている、という意識が乏しいと、垂れ流しの、あるいは使い捨ての、所在のない、
どこに向かっているのかわからない言葉が行き交う環境となります。

「あなた」に届く言葉。私にとっての臨床はそれを探す果てしない営みとも言えるかもしれません。

 

記事はこちらからダウンロードできます。

2021年05月10日